トコジラミの発生・被害件数が増加中
昨年の冬頃からニュースなどでよく耳にするようになったトコジラミ。
戦後にはよく見られる害虫でしたが、殺虫剤の普及や生活改善などにより激減。
しかし2010年頃から再び急増し、被害件数も増えています。
繁殖力が非常に強く、瞬く間に増えていく
トコジラミはナンキンムシとも呼ばれ、分類学的にはカメムシの仲間です。
成虫の体調は5~8mmで、体は丸く扁平で色は褐色です。
メスは1日5~6個の卵を産み、その卵は2週間ほどで幼虫になります。
幼虫は1~2ヶ月後には成虫になります。
メスが生涯に産む卵の数は200~500個にも及ぶといわれます。
加えて3ヶ月~1年生きているため、あっという間に増加してしまいます。
トコジラミの増加は日本に限らず、全世界で見られます。
原因の一つとして、物や人が世界規模で移動するようになったことが挙げられます。
日本の場合も海外からの荷物や人に付着してもたらされたと推測されています。
刺されると発疹やかゆみが現れる
やっかいなのはトコジラミの主な栄養源が人間の血液であるということです。
これは成虫だけでなく幼虫も同様です。
トコジラミは明るいところが苦手なので、活動するのは夜が中心です。
潜伏場所から出てきて刺して吸血します。
刺された部位にはアレルギー反応による赤い発疹ができます。
時には激しいかゆみや発熱を伴うことがあります。
また強いかゆみにより寝不足になったり、皮膚に傷がつき細菌感染して傷口が化膿するケースも見られます。
刺された場合は薬局で購入できる外用薬を塗布することで炎症を抑えることができます。
かゆみが激しかったり患部が悪化したときはかかりつけ医や皮膚科を受診しましょう。
トコジラミや血糞を見つけたら専門業者に駆除依頼
トコジラミの潜伏場所はベッドの周辺、壁や家具のすき間、引き出しや壁に掛けた絵の裏、壁と床の接合部、畳と畳の間、カーペットの下などです。
日ごろからこうした場所をこまめに掃除することがトコジラミ発生予防につながります。
上記の場所に黒っぽいシミが付着していたら、血糞(吸血した血が糞になって出た痕)が疑われます。トコジラミがすでに大量に繁殖している可能性があります。
一般的な殺虫剤はトコジラミに効かないことがあり、個人での駆除は難しいため、専門の業者に依頼することも検討してください。